近年、ますます需要が増えて拡大の一途をたどっているECサイトは、運営者側からすれば今後も期待できる市場となっています。
しかし、それに伴ってECサイト市場への参入も増えており、各ECサイトでの競争も激しくなりつつあります。
そんな激しい競争の中でどのようにしたら、他ECサイトとの差別化を図れるのか考えていかなければなりません。
そんな時におすすめしたいのが、動画の利用です。
最近では、動画サイトなどの普及からあらゆる面で動画が用いられるようになりました。
ECサイトも例外ではありません。
今回は、ECサイトに動画が有効な理由から、活用方法、具体的な活用例をご紹介していきましょう。
ECサイトに動画が有効な理由とは
通常、ECサイトでは商品の画像などはあってもなかなか動画まではないことがほとんどです。
ECサイトには商品画像は必要でも動画はあまり必要とされていないことが分かります。
しかし、ECサイトにおいても動画は有効な手段となり得るのです。
その理由をいくつかご紹介していきます。
・どのような商品なのか分かりやすい
そもそも実際に店舗で商品を販売するのと、ECサイト内で販売するのには大きな違いがあります。
実際の店舗であればどんな商品なのか手に取ってみることができますし、必要であれば試着することもできます。
しかし、ECサイトとなるとどうしてもどんな商品なのかを画像やコメントで表さなければならず、商品を購入するかどうか判断に迷ってしまうことも多くなります。
ECサイトでどのような商品かを紹介するために動画は有効な手段となるでしょう。
実際に使っている様子があれば、商品についての理解は深まりますし、購入意欲も高まります。
実際の店舗で購入するよりは情報量に限りはありますが、動画をECサイトに用いることは有効だと言えます。
・動画に対する需要自体が高まっている
近年、あらゆる動画サイトが現れてきていることもあり、動画に対する需要自体が高まっていることが分かります。
それは商品紹介に用いられる動画についても同様で、ECサイト利用時に動画があれば意思決定に役立つという調査結果も出ています。
どのように商品の情報を得るかで商品購入の意思決定につながっているのであれば、動画の活用は有利に働くでしょう。
・SEO効果がある
数多くのECサイトが存在する中で、自身のECサイトへの集客はまさに最重要課題と言えます。
WEB広告なども集客手段としては大きいですが、検索エンジンからの集客を増やすためにはSEOが不可欠とされています。
動画が掲載されているECサイトはそれだけでSEO効果があります。
なぜなら、大手検索エンジンであるGoogleでは動画を掲載しているサイトやWEBページを比較的上位に表示することがあるためです。
そして、大手動画サイトYouTubeは今やGoogleに次ぐ検索エンジンとも言われており、どんな商品か、その商品の使い方などの情報をYouTubeで検索する人も少なくありません。
WEB広告などの手段を用いらずとも、動画を活用することでSEO効果が期待でき、集客にもつながることが分かります。
動画を有効活用するためには
動画を有効活用するためには、商品の使い方や使い心地、どんなシーンに使えるかなどを動画にして伝えなければなりません。
何を目的にするかでどんなサイトを活用すればいいのかが変わります。
そこで、ここからは動画を有効活用するためにおすすめのサイトや広告についてご紹介していきます。
・YouTube
世界中で利用されているYouTubeには、様々な動画が公開されています。
中には企業のアカウントや公式チャンネルから、商品の紹介動画や人気のYouTuberに商品を紹介してもらう宣伝動画などもあります。
ECサイトの商品紹介動画であれば、自社のチャンネルを開設して制作した動画をYouTubeで公開することでSEO効果も期待できるでしょう。
この時、YouTubeからECサイトへの誘導はしっかりと行うことが大切です。
終了画面の設定や動画の概要欄などにECサイトのURLを記載しておくようにしましょう。
企業としてFacebookのアカウントやページを持っているのであれば、Facebookでの動画配信もお勧めです。
Facebook上では動画が投稿されると、それを優先的に表示させる仕組みとなっているため、フォロワーに見てもらいやすくなります。
動画にもよりますが、フォロワーにシェアされることでフォロワー以外の多くの人の目にも留まることができるでしょう。
Facebookに動画を配信する際には、YouTubeなどのリンクを掲載するのではなく、直接Facebookに動画を載せるようにしてください。
YouTubeのリンクだけでは優先的に表示されるメリットがなくなってしまいます。
・動画広告
動画広告は、商品紹介動画としても有効な手段と言えます。
しかし、動画広告としての効果を高めるためにはクオリティーの高い動画を制作しなければなりません。
既に動画を配信しているのであれば、人気商品の紹介動画やよく見られている動画のハイライトなどで動画広告を作ってみても良いでしょう。
具体的な活用例
ECサイトで動画を活用することで、商品理解が高まり商品を購入するか否かの意思決定をしやすくなります。
では、商品の紹介動画はどのように活用されているのか実際のECサイトをご紹介していきましょう。
・AO.com
AO.comは主に家電を取り扱っているECサイトで、商品ページの中に商品詳細として画像と動画を掲載しています。
動画内では家電の使い方や機能紹介をメインで行っていますが、BGMやテロップ、アングルなども凝っているので参考にしてみても良いでしょう。
・SEPHORA
SEPHORAはコスメのECサイトです。
商品ページには商品の画像と共にコスメをどのように使うのかといったハウツー動画を掲載しています。
メイクのハウツー動画は非常に需要が高いジャンルでもあるため、より購入意欲を高められるものとなっているのではないでしょうか?
・ASOS
ASOSはファッションのECサイトで、ファッション系のECサイトの中でもいち早く商品の紹介動画を取り入れたサイトでもあります。
通常、ファッション系には商品紹介動画は取り入れにくいとされていましたが、試着ができないというECサイトの弱点をうまくカバーできている例だと言えるでしょう。
各商品のページに商品画像と共に動画が掲載されています。
スカートの広がり具合なども動画で分かりやすくチェックできるようになっています。
・KELTY
アウトドアブランドであるKELTYのECサイトにも、商品の紹介動画が掲載されています。
掲載されている動画では、実際にその商品の特徴を説明するだけでなく組み立て方法などを解説しています。
アウトドア用品は使い方が難しいものも多いので、ユーザーからしても嬉しい活用方法です。
・THRIVE MARKET
THRIVE MARKETは主に自然派食品やコスメを扱っており、自然派食品を用いたレシピなどを掲載しています。
動画コンテンツのみがまとめられたブログページもあるようで、動画から商品、商品から動画へ巡回しながら楽しめる仕組みとなっています。
まとめ
ECサイトでは画像で商品を紹介するだけでなく、動画で商品を紹介することも有効です。
動画はそれだけ現在需要が高まっていますし、どんな商品か動画で見ることで追体験することもできます。
SEO効果があるというだけでなく、ユーザーの購入意欲や意思決定にも直結している手段だとも言えます。
ECサイトの中でも突出した存在になるためには、動画も活用しながらユーザーに対してアピールし続けることが大切です。
コラム筆者
ECコンサルタント・アドバイザー
安田昌夫
- 東京都出身1984生まれ
- ECサイト運営歴10年で広告費をかけずに45万PVを達成
- 適切な集客・広告運用のサポート・無駄な広告費をカットするためのアドバイスを得意とする
- 月商1200万円突破